エッセイみたいなもの

映画と旅に恋した人生

《映画》穏やかな孤独に胸打たれる映画『小さいおうち』

小さいおうち

小さいおうち

 
小さいおうち (文春文庫)

小さいおうち (文春文庫)

 

私の大好きな昭和初期のレトロモダンな雰囲気の巨匠・山田洋司監督の作品。
映画鑑賞初心者の私は、山田洋司監督の作品はこれが初めてです。
そして俳優吉岡秀隆さんの演技をちゃんと見たのも初めて。
なにもかもが「ああ、さすがだな」と魅了された映画です。

黒木華さん演じるタキちゃんの純朴でひたむきな昭和の女性に胸キュン

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この方をはじめて見たのですが(疎くてすみません)素晴らしい女優さんだと思いました!
この女中のタキちゃんのひたむきさ・一生懸命さ、奥さま(時子)への一途な主従関係。そういったものを雰囲気で醸し出せるすごく深みのある演技にすぐに引きこまれてしまいました。

またこの顔立ちが着物にとても似合っていて愛らしい。衣装の着物もさすが。上品なコーディネートが昭和初期の上流家庭というものを知らない私にロマンを与えてくれています。

 

▼さすがは松たか子さん。魅力のひとつはその声!

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奥さま役の松さんは、やはり何度も見るたびに「この人すごいなあ」と思わせるほど自然に役をこなしている天性の女優さんだと感じました。

今回の奥さま・時子さんが特徴的だったのはその喋り方。
昭和初期の上流家庭の奥様ならではの今でいう気取った風な言葉遣いを松さんのあの声で言われると妙にシナがあって、本当は激しい性格なのだけどいい奥さまを演じているのだなあという想像を掻き立てます。

昔から松さんの歌声が好きで、声に魅力を感じているので今回の言葉遣いの色気にはぐっときたものがありました。 

明日、春が来たら

明日、春が来たら

 

♪ありのーままのー♪も松さんの声だからあれだけ大衆に受け入れられたのだと昔からの声ファンとしては自負しておりますw

サクラ・フワリ

サクラ・フワリ

 

▼時代を経て交錯する人々の思い出と孤独

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罪の意識から孤独を選び続けてきたタキちゃん。
タキちゃんの人としての潔癖なうつくしさが、じんと広がっていく過去の回想。
人は人に言えないものを抱えながら、それでも人を求めていて、孤独でもどこかしら繋がっていると感じさせられる、あたたかな映画でした。

たとえ欲望に駆られて愛を見失っても、最後、爆弾の火の中で死ぬ時は手をつないで目を閉じた時子さんたち夫婦のように。

そんな愛もあるのだと、静かに燃えるような映画でした。

 

《書評》『儚い羊たちの祝宴』

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

 

 《あらすじ》

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。

《感想》

  • 短編5作品で「バベルの会」という読書サークルで登場人物が繋がっている
  • 物語全体の言葉遣いがとにもかくにも美しくて読んでいてうっとりする(入り込める)

わたしは、夜の自分を誰にも見られない場所に閉じ込めることを希求した。壁に厚みを、部屋に鍵を望んだのだ。……しかしわたしは眠りをどこまでも恐れながら、その恐れにも惹かれていた。
(身内に不幸がありまして)

  • 各ストーリーに出てくるモチーフや小物にこだわりを感じる。詳細に想像しながらも楽しめる作品。
  • 5作品繋がってるようで独立しているので、好きな時にあっさり読める
  • 私の一番オススメは「玉野五十鈴の誉れ」。

その日の「バベルの会」の世話には、五十鈴が加わった。彼女はいつも通りに仕事をした。つまり差し出がましいことをせずにあくまで控えめに、しかし誰かが何かを望んだときには既に用意を済ませていた。お茶は適温で、カップを運んでも水面にさざなみひとつ立たない。いつもの五十鈴だった。(玉野五十鈴の誉れ)

《著者について》

米澤穂信(よねざわほのぶ)
1978年岐阜県出身。金沢大学文学部卒業後2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞受賞。後「インシミテル」「追想五断章」などミステリ大賞候補に選出。2008年『満願』で第27回山本周五郎賞受賞。

お金の真価を改めて気付かされた本

お金の不安がなくなる60の方法 一生モノの「稼ぎ力」をつけよう

お金の不安がなくなる60の方法 一生モノの「稼ぎ力」をつけよう

 

なんとなく読み始めたらなかなか読みやすくて、あっという間に読めてしまいました。
結果として「お金の不安がなくなったか」といえば「はい」とは言い難いのですが、人とお金の関係性が客観的に書かれていてお金に対して冷静になれる本だと思います。

 

読んで気付かされた点

日本の会社は、緩やかな保険制度です。
会社に入るということは、保険に入ったということです。
「お金の不安がなくなる60の方法」(中谷彰宏) 

これにはなるほどーー!と赤べこのように頭を前後に振って納得してしまいました。
筆者は続いて

会社が自分にどれだけのお金を直接間接に払っているかに気づいていません。間接で払ってもらっているお金は、まったく見えてないのです。

「お金の不安がなくなる60の方法」(中谷彰宏)  

確かに…。

私自身も2017年、初めて退職→転職を経験しましたが、その間の健康保険料・年金・住民税等の扱いに苦労しました。16年間、法律関係の事務所で働いていたくせに、いざ自分の事になると未経験ゆえにわからないことが多かったのです。

もちろん制度的なもの・法律・どこにいって何をすべきかはわかっていたのですが、どういう流れでいつお金を払うのか等の時期がまったく読めずに、お金のやりくりに苦労しました…。

会社に在籍していると、これらは当たり前のように給与天引きという形で納付され、しかも社会保険料に関しては半額会社負担という仕組み。

会社を辞めれば、面倒な納付手続きも、お金のやりくりも全部自分でやらなければいけません。

日本の会社は恩恵が大きいのは確かですね。

 

では、どうすればお金の不安がなくなるか

本の中にもあったんですが、結局お金がいくら貯まろうが、貯まらなかろうが、稼ぐ力に不安がある人はいつまで経ってもお金の不安が消えないらしいのです。

その稼ぐ力とは何か。
高学歴やキャリアやそういうことばかりではなく、要はどこの会社でも通用する考え方や柔軟性を持った「人間力」だと筆者は書いています。

その人間力とは何かということを、この本ではわかりやすく解説されているので、自分にはどの部分が足りないのだろう?ということが分かると思います。

結局は「真面目にコツコツ」出来る人が稼げる人。という点に私自身は「コツコツ」が苦手なので読んで不安はなくなりませんでしたが、理解することはできました。

よし、このブログもコツコツ、会社もコツコツがんばるぞ。

 

《おまけ》類似テーマを扱った映画をご紹介

鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド

 

最近見た映画「鍵泥棒のメソッド」。
まさにこの本を表現したような内容だったのでおまけでご紹介。
コメディで普通に面白いのですが、堺雅人演じる桜井と、香川照之演じるコンドウのお金の流れが対極的ですごく勉強になります。

あらすじ等は省きますが、結論やっぱり環境が変わっても、記憶を失っても「真面目でコツコツ」できる人が大きなお金を掴む、貯めることは間違いなさそうです。